常在菌の話

本ブログの管理人は、石鹸類を使わず、素洗いを薦めています。
私たちの体も菌の働きによって健康を維持できているわけですね。
その菌について調べてみました。

~転載~
人体と共生している菌を、「常在菌」とよぶ。
常在菌は「細菌」と「真菌」(カビ)に分けられ、細菌のほうが圧倒的に多い。 常在菌の数は、全部で100兆個以上と言われている。
画像の説明
100兆の常在菌は、重量にするとおよそ1kg。
健康な人が常に持っている菌が見つかれば、たとえそれが10人に1人しでしか見つからない菌だとしても、常在菌と呼ばれる。

菌は、みずから栄養分をつくりだすことができないので、まわりの環境から栄養をもらって生きている。食べ物のカスや未消化の食べ物が数十時間も滞在する大腸は、栄養が豊富にあり、体の中で常在菌が最も多い場所だ。

常在菌は通常、人体に害を与えることはない。
害を与える菌のことを「病原菌」という。
1960年頃から、病原菌だけでなく、常在菌の存在が重要であると指摘され始めました。

腸内細菌  2010年
124人のデンマーク人・スペイン人の腸内細菌をメタゲノム解析で調べた結果が発表。それによると、腸内細菌群から得られた全遺伝子数は、約330万個(ヒトの遺伝子が約2万2千個)。

 糞便の半分・・・・腸内細菌
 糞便1ml当たりに100億個~1000億個の細菌がいる。
 糞便の1/3~1/2が細菌
 1人の腸内には・・・1000種類の細菌

(胎児は無菌)
赤ちゃんは母親の産道を通る時に最初の菌をもらい受けて、その後、様々な微生物を常在させる。不思議なことに赤ちゃんの常在菌群は、必ずしも母親の常在菌群と同じではない。このことをメタゲノム解析で調べたのが服部正平・東京大学大学院新療育創成科学研究科教授

腸内細菌の構成は、およそ65億人いる人類でみな違っていると考えられる。自身のゲノムは全く同じ一卵性双生児でも、腸内細菌群の大部分が異なるのです。しかも、個人個人の腸内細菌群の構成は、離乳後は一生ほとんど変わりません(服部正平教授)

皮膚の常在菌
2005年に出来尾格・島根大学教授が世界で初めて皮膚の常在菌を指紋遺伝子を使って調べた。その結果、既に知られていた常在菌が10種類、人体以外でしか見つかっていなかった細菌が9種類、新発見の細菌が13種類見つかった。

Science2009/5/29では、指紋遺伝子を使って10人の健康なヒトの皮膚にある常在菌を調べた結果が報告。

 顔の皮膚・・・1平方㌢㍍あたり1000~100万個の菌がいる。
 誰の皮膚にもいる常在菌は 「表皮ブドウ球菌」 「アクネ菌」 「マラセチア菌」

2009年に、表皮ブドウ球菌が「黄色ブドウ球菌」を殺す抗菌ペプチドを分泌していることが分かった。

アクネ菌は、皮脂を分解して、栄養となる有機酸(オレイン酸・酢酸・・)を作り出している。常在菌が作り出す酸によって、皮膚表面はpH5.5(弱酸性)に保たれている。

口の中
 唾液1ml中には・・・1億~10億個の常在菌がいる。
 プラーク(歯垢)には、さらにたくさんの常在菌がいる。
 口の中の菌の種類は400種類~700種類。「レンサ球菌」が最も多いといわれている。
 鼻・・・1平方㌢㍍あたり1000~1万個の常在菌。
代表的なもの 「表皮ブドウ球菌」
nature/2010/5/20で、鼻の中にいる表皮ブドウ球菌は「タンパク質分解酵素」を分泌して、黄色ブドウ球菌の繁殖をジャマしていることが分かった。

小腸
小腸の上部には常在菌は少ないが、下部では急激に増加する。
空腹時でも腸内内容物1㌘あたり・・・10万~1000万個の常在菌
代表的なもの 「レンサ球菌」「乳酸菌」

尿道
腎臓や尿道、膀胱は、健康な人では無菌である
尿道には・・・大腸菌や乳酸菌が常在している。
尿1㍉㍑あたり・・・・・通常、1000個以下の菌が見つかる


エストロゲンが増えると、膣内でグリコーゲン(多糖類)が合成される。すると、グリコーゲンを分解して酸をつくる乳酸菌が増えて、膣内はpH4.7の酸性に保たれる。
乳酸菌以外のほとんどの菌がこのpH4.7では生育ができない。

~転載終わり~

こうしてみると、人体には必要なものが備えられていることに驚きますね。