その水、金魚が棲めますか?

金魚愛好家のプロに聞きました。

水道水で金魚を飼うとき、そのまま入れる人はいませんよね、必ず塩素中和剤を入れるでしょう。入れると気持ちよさそうに元気に泳ぎ回ります。

「新しい水に金魚を入れたら、さかんに泳ぎ回っていると言う光景は、一見キレイな水になって喜んでいる、元気なんだと見えますが、実は『苦しんでいる』のです・・。本来であれば、新しい水や新しい環境に入ると警戒する為、底に行っておとなしくしたりするものです。」

新しい環境や水を入れ替えた時に、さかんに泳ぎ回る原因としては下記の例があります。
1.それまでの水との水温が5度以上違った
2.塩素抜き(カルキ抜き)が不十分=(かき回す・循環が不十分)
3.酸素不足=水温が30度近い場合など特に注意。エアレーション(ぶくぶく)不足で、
  金魚が水面でパクパクとエサを食べるようなしぐさをします。
4.単純にエサが欲しい=飼い慣れた金魚の場合は、人間が近づくだけでエサを期待
  しますので、エサが欲しいだけかも知れません・・。

※塩素抜きが大切な理由
水道水に添加されている塩素は、水に含まれる有機物に反応して消毒し、我々の家庭では安全な水を飲めます。またプールや温泉水の消毒にも塩素は使われます。

よく「塩素臭い」と言われますが、そのニオイは塩素が汚れに反応した場合(塩素が効いた)のみ発生します。塩素を水に入れても、水中に汚れがなければ塩素は反応しないのでニオイが出ません。

塩素系の洗剤がキケンなように、塩素から発生するガスを吸うと人間は呼吸できなくなります。呼吸器系(肺)の細胞を塩素が破壊するからです。(温水シャワーはガス化するので注意が必要です!)

この塩素の特徴を生かして世界で初めて完成した化学兵器は塩素ガス兵器です。魚は水中の酸素を取り入れますので水道水に含まれる塩素が入った水で魚が呼吸すると、水に含まれる塩素が魚の呼吸器系(エラ)に入り、呼吸器系の細胞を破壊します。破壊された細胞は長年復活できません。その為、魚に取っては命に関わる問題なので、水道水の塩素中和は基本中の基本なのです。


以上、金魚と塩素でした。

人体の塩素については「塩素の無害化とは!」を参照